何かと万能感のあるエクセルですが、皆さんはExcelで勤怠管理システムを自作したことはありますか?Excelではなく、Googleスプレッドシートなどの他の表計算ソフトを使って、勤怠管理の仕組みを自作された経験のある方もいると思います。今回は、そのような自作した勤怠管理システムについて。
紙のタイムカードを使っているのであれば、作り方は簡単です。タイムカードの項目名と行や列を表形式にして、エクセルに入力します。出勤簿をエクセルで作るようなイメージです。Excelのファイルは全従業員分で1つにして、シートごとに社員を分ける。または、社員ごとにファイルを分けて、シートを月などで別にするという運用方法が考えられます。ここは好みなので、好きな方を選んで構わないと思います。
Excelには、様々な数式が用意されています。エクセルで作る勤怠管理システムでも利用したいところです。特に、勤務時間の集計で活躍します。残業時間があったとして、それが法定内なのか法定外(一般的に割増賃金が発生するのは法定外残業)なのか。深夜(22時から朝5時)の労働時間が何時間だったのかなどは、目視と手計算は大変です。条件を指定するIF、合計するSUM関数などの初歩的な数式でも使い方によっては対応できます。そして、様々な数式などを組み合わせたマクロを設定すれば、自動化も可能です。
イチから作るのが手間であれば、勤怠管理できるExcelのテンプレートを探して(Google等で検索して)、それを活用する方法もあります。ただし、あくまでテンプレートのため、自社向けにカスタマイズする必要があるかもしれません。カスタマイズが難しければ、自社の勤怠管理の方法を、テンプレートに合わせるという手段もあります。 いずれの方法でも、管理方法として適法であるかは、社労士などの専門家に確認するようにしてください。
Excelは多機能のため、使いこなせれば自社に合ったカスタマイズが可能です。エクセルに詳しい社員がいれば、勤怠管理システムのカスタマイズの費用を外部に支払う必要もなくなります(社員の人件費は発生しますが)。また、システムの利用料として負担するのが、エクセルのコストだけです。マイクロソフトのオフィスが入ったパソコンを使っていれば、追加費用が発生しません。
エクセルに限ったことではありませんが、「誰か詳しい人が自作したもの」は、その詳しい人がいなくなった後に、運用するのが難しくなります。勤怠管理の、例えば時間外労働の計算方法について、法改正があったとします。自作したエクセルの勤怠管理システムも、法改正に合わせて直す必要がある場合に、誰か担当するのでしょうか。エクセルに詳しい人が退職する前に、代わりになる社員が育っていれば問題は小さくなりますが、突然に辞められてしまった場合に困ることがります。
以上、簡単ではありますが、勤怠管理システムをエクセルで自作する方法と、メリットとデメリットについて紹介しました。カスタマイズが容易で、コストが安価なのは、やはり魅力的です。デメリットへの対策を考えつつ、自分で作るかどうかを検討してみてください。ちなみに、カスタマイズはできませんが、安価な勤怠管理システムといえば「フリーウェイタイムレコーダー」です。10人まで無料のクラウド勤怠管理システムですので、よければ候補の1つに入れてみてください(完全に宣伝です)。