勤怠管理をペーパーレス化するメリットは?勤怠管理システムの概要とスムーズな導入のコツ

更新日:2024年10月28日
ペーパーレス

勤怠管理の方法としては、紙のタイムカードや出勤簿を使った方法が一般的でした。しかし近年は、ペーパーレス化によって勤怠管理システムを活用したデジタルな管理も普及しています。

勤怠管理をペーパーレス化すると、業務効率化や不正打刻の防止など多くのメリットを享受できます。

本記事では、勤怠管理のペーパーレス化によるメリットや勤怠管理システムがオススメの理由、スムーズな導入のコツなどを解説します。

勤怠管理をペーパーレス化する5つのメリット

勤怠管理をペーパーレス化するメリットとして、主に以下の5つが挙げられます。

  • 正確に労働時間を管理することで法律違反を未然に防げる
  • 業務効率化を実現できる
  • 場所を問わず打刻できるため柔軟な働き方に対応できる
  • コストを削減できる
  • 不正打刻を防止しやすくなる

正確に労働時間を管理することで法律違反を未然に防げる

タイムカードや出勤簿で勤怠管理している場合、いつでもリアルタイムで従業員の労働時間を把握できるとは限りません。そのため、例えば従業員の超過勤務を長期間にわたり見落としてしまい、結果としてメンタルを壊す原因を作るリスクがあります。

とくに近年は、「過労死ラインの基準を設ける」といった形で企業の働き方を改善する動きが活発化していることからも、従業員の労働時間を守る重要性は高まっています。

勤怠管理システムの導入で、勤怠管理をペーパーレス化すれば、従業員の労働時間や超過勤務のリスクの有無をリアルタイムで把握可能です。定期的にチェックし「超過勤務しそうな従業員の業務量を見直す」といった対策を行えば、労働基準法の違反を防げます。

業務効率化を実現できる

紙などで勤怠管理している場合、以下のような多くの手間がかかります。

  • 従業員全員分のタイムカードが提出されているか、目視でチェックする
  • 従業員全員分の労働時間や休日数などを、手作業で集計する
  • 打刻ミスの有無をチェックして、従業員へ確認する
  • 出勤簿の保管スペースを確保する
  • 最終的な給与計算に間違いがないか、ダブルチェックする

従業員数が多くなるほど上記の作業は面倒になり、やがてコア業務を圧迫するかもしれません。とくに人力で進めると、どうしても疲れや気の緩みが原因でミスも発生しやすくなります。

しかし、勤怠管理のペーパーレス化を実現できれば、こうした集計や保管にかかる手間を大幅に削減可能です。システムで労働時間を集計すれば、人力でありがちな入力ミスもほぼ発生しません。

場所を問わず打刻できるため柔軟な働き方に対応できる

紙のタイムカードや出勤簿を扱う場合、勤怠を記録するために逐一職場に出向かなければなりません。在宅勤務や直行直帰などを実施したい企業にとって、「勤怠打刻のためだけに一度帰社する」というのは手間です。

ペーパーレス化を行いシステム上で勤怠の管理ができれば、スマートフォンやパソコン、タブレットから出退勤を打刻可能です。在宅勤務やフレックス制、直行直帰、裁量労働制など、幅広い働き方を導入している企業でも、従業員の場所に関わらず正確な勤怠管理を実現できます。

コストを削減できる

タイムカードや出勤簿による勤怠管理では、以下のようなコストがかかります。

  • タイムカードや出勤簿の紙代
  • 手作業での集計にかかる人件費
  • タイムカードや出勤簿の保管場所の費用

タイムカードや出勤簿の単価自体は高くありませんが、従業員数が増えて必要な数も増えれば、最終的に大きな支出となります。さらに手作業での集計となると、その分、担当者への人件費も膨らみかねません。

勤怠管理システムを活用してペーパーレス化を実現すれば、これらのコストを削減できます。手作業による業務の手間だけでなくコストも減らせる点が、ペーパーレス化の大きな魅力です。

不正打刻を防止しやすくなる

タイムカードや出勤簿で勤怠を管理している場合、不正打刻が発生しやすくなります。とくにタイムカードはまとめて保管することが多いため、例えば「遅刻した同僚のタイムカードを代理で切る」ということも不可能ではありません。悪意がなくても、誤って他人のタイムカードを切ってしまうこともあり得ます。

勤怠管理システムであれば、従業員個人のICカードやスマートフォン、タブレットなどを活用した打刻ができるシステムもあるため、「誰かに代理で打刻してもらう」といった不正打刻を防止できます。仮にシステム上で打刻をミスしても、履歴を残しつつ修正できるため、「意図的に残業時間を改ざんした」ということが起こる心配もありません。

「客観的な労働時間を把握する義務」を満たすうえでもペーパーレス化は重要!

上記のように、「従業員の労働時間を守る」「業務効率化を実現する」などさまざまな観点から見ても、勤怠管理のペーパーレス化は重要です。

とくに2019年4月からは、働き方改革と関連した法改正により「労働時間は”客観的な方法”で記録しなければならない」と義務付けられました。

参照:出雲労働基準監督署 | 労働者を雇用する事業主・人事労務担当者の皆さまへ

この法改正では、タイムカードや出勤簿の利用が禁止されたわけではないため、「客観的な視点で」労働時間を正しく管理できれば、従来通りタイムカードや出勤簿を使っても問題ありません。

とはいえ、紙ベースでの管理は、改ざんされるリスクが高いため、客観性を保つためには「管理者が打刻時に目視でチェックする」といった対策が必要です。しかし、出退勤時に全員分のタイムカードを毎日目視でチェックするのは大変難しく、現実的ではないと言えます。

上記を踏まえると、ペーパーレス化によって、ICカード、パソコンの作動記録などを用いた勤怠管理を取り入れたほうが、結果的に法的義務の遵守にもつながるのです。

勤怠管理をペーパーレス化するなら「勤怠管理システム」の活用がおすすめ

勤怠管理をペーパーレス化する方法としては、「パソコンのログイン記録を読み取る」「勤怠管理システムを導入する」など、さまざまなものが挙げられます。その中でも、より安全かつ正確に勤怠を管理するのであれば、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

勤怠管理システムとは、従業員の出退勤時間や休憩時間、残業時間、有給取得日、シフトなどの勤務情報を管理できるシステムを指します。ICカードやブラウザ打刻などで出退勤を集計できるため、オフィス以外からも手軽に打刻できる点が魅力です。従業員個人のICカードからのみ打刻できるようにしたり編集権限を限定できたりするため、不正打刻の心配もありません。

労働時間や休憩時間、残業時間なども自動で集計できるため、給与計算のために毎回手作業で時間を割く必要がなくなり、自社本来のコア業務へリソースを投下しやすくなります。

勤怠管理システムの具体的な機能は製品ごとで異なるため、自社の規模や投下できるコストなどを踏まえて決めることが大切です。

もし「シンプルな勤怠打刻を低コストで利用したい」ということであれば、株式会社フリーウェイジャパンが提供するフリーウェイタイムレコーダーをご検討ください。

フリーウェイタイムレコーダーは、打刻や集計など最低限の機能に絞り「従業員10人までなら永久無料」を実現した勤怠管理システムです。無料でありながら、ICカード・パソコン・スマートフォン・タブレットでの打刻に対応しているため、在宅勤務や直行直帰を活用している企業でも問題なく導入できます。管理者権限も柔軟に設定できるため、従業員が意図的に勤怠を改ざんするリスクもありません。「勤怠管理システムにコストを割けない」「簡単に管理できるツールを探している」という企業は、ぜひ一度お試しください。

具体的な勤怠管理システムの機能や選び方のポイントなどについては、「勤怠管理システムとは?機能や導入メリット、初めての方でも迷わない選び方のポイントなどを詳しく解説」で詳しく解説しています。

勤怠管理システムをスムーズに導入するためのコツ

勤怠管理システムをスムーズに導入するためには、以下のコツを意識してみてください。

  • 自社の「勤怠ルール・働き方・職場環境」などを踏まえてシステムを選ぶ
  • 就業規則の変更がないかを事前に検討する
  • 社内で従業員へのサポート体制を整備する
  • 無料デモや試用期間で使い勝手をチェックしておく
  • 従業員にペーパーレス化の意義を共有する

自社の「勤怠ルール・働き方・職場環境」などを踏まえてシステムを選ぶ

勤怠管理システムは、製品ごとに有する機能やコストが異なります。基準をもたずなんとなく選んでしまうと「多機能な製品を導入したが、結局あまり使わなかった」など、余計なコストがかさんでしまう可能性もあります。

費用対効果が高い勤怠管理システムを導入するには、自社の勤怠ルールや働き方、職場環境などを踏まえて製品を決めることが重要です。

例えば「従業員数を増やす予定がないので最低限の機能で勤怠管理できれば十分」ということなら、上記で紹介したフリーウェイタイムレコーダーで十分活用できます。あるいは「フレックス制など多様な働き方に対応したシステムを導入したい」ということであれば、変動的な勤務体系に対応できる製品を選ぶことがおすすめです。

就業規則の変更がないかを事前に検討する

勤怠管理システムを導入したことで、シフトの申請フローや労働時間の計算フロー、打刻ルールなど、勤怠管理に関する規則が変更になる場合もあります。

勤怠管理の規則を変更した場合は、就業規則も修正が必要です。就業規則を改訂する際は、労働組合へのヒアリングや労働基準監督署への届出などが必要になるため、事前に就業規則の変更有無の可能性を検討してください。

就業規則の具体的な変更方法については「【2023年4月法改正】就業規則の見直しチェックリストと変更時の5ステップ」で詳しく解説しています。

社内で従業員へのサポート体制を整備する

勤怠管理システムを導入しても、いきなり全従業員がスムーズに利用できるとは限りません。とくに長年紙で勤怠管理をしていたのであれば、新しいITツールの操作に慣れない従業員が出てくる可能性もあります。

そうした従業員をフォローして社内でスムーズに勤怠管理システムを浸透できるよう、以下のようなサポート体制を整備することが大切です。

  • 社内勉強会を開催する
  • 専任の担当者を決めて社内からの疑問を集約する
  • 勤怠管理システムの提供会社から受けられるサポートを社内で共有しておく
  • 利用マニュアルを作成する

従業員へ充実したサポートを提供し社内で勤怠管理システムの利用が浸透して初めて、自社の業務効率化が促進されます。

無料デモや試用期間で使い勝手をチェックしておく

勤怠管理システムによっては、導入前に無料デモや試用期間を活用できるケースがあります。実際の使い勝手をチェックしておけば、導入可否を決める際の判断材料になります。

可能であれば、現場で利用する従業員にシステムを試してもらうことが大切です。利用する機会が多い従業員から正直な感想をもらえれば、導入後に「毎日使うにしては操作性が悪い」といったミスマッチが発生することを防げます。

従業員にペーパーレス化の意義を共有する

従業員によっては、長年慣れていた勤怠管理ルールを変更することに抵抗感を覚えるかもしれません。従業員がシステム利用に乗り気でなければ、勤怠管理システムの利用を定着させるまで時間がかかります。

そのため、事前に勉強会などを開き「勤怠管理システム導入によって従業員自身にどんなメリットがあるのか?」を周知することが大切です。「業務を効率化して労働時間を削減できる」といった従業員自身のメリットを理解してもらえれば、今後のペーパーレス化・業務効率化も進めやすくなります。

まとめ | 勤怠管理システムを活用して自社のペーパーレス化を実現しよう

勤怠管理でペーパーレス化を実現することで、「職場の業務効率化につながる」「不正打刻を防止できる」など、さまざまなメリットを実感できます。とくに「客観的な労働時間を把握する義務」が企業に課された現在では、ペーパーレス化によって正確な労働時間をリアルタイムに把握できる体制を整えることが重要です。

勤怠管理をペーパーレス化するのであれば、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムであれば、オフィス以外から手軽に打刻できるうえ、「従業員個人のICカードからのみ打刻できるようにする」などが可能なため不正打刻も防げます。

こうした製品も活用しながら、ぜひ自社の勤怠管理のペーパーレス化を促進してください。

よくある質問

Q1.勤怠管理をペーパーレス化するとどんなメリットがあるの?

以下のようなメリットがあります。

  • 正確に労働時間を管理することで法律違反を未然に防げる
  • 業務効率化を実現できる
  • 場所を問わず打刻できるため柔軟な働き方に対応できる
  • コストを削減できる
  • 不正打刻を防止しやすくなる
Q2.勤怠管理の電子化は義務化されているの?

勤怠管理の電子化自体は義務化されていません(2024年10月時点)。義務化されているのは、あくまでも「客観的な労働時間を把握すること」です。

タイムカードや出勤簿であっても、客観的に労働時間を把握できるなら問題ありません。しかし、紙で客観的な労働時間を把握するのは難しいため、結果的に勤怠管理システムなどのツールを使ったほうが便利です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

pagetop