三六協定とは何か?導入と働き方について

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企業が従業員を法定労働時間外や休日に働かせる場合、届け出が必要となる三六協定。三六協定を締結していないと罰則を課せられるため、就業時間が法定労働時間外や休日まで及ぶ場合は必ず提出しなければなりません。そこで今回はそもそも三六協定とは何か、三六協定の記入方法及び提出方法、メリットとデメリットなどについて紹介します。※2021年11月2日に更新

三六協定とは?

三六協定とは、労使間で締結する時間外及び休日労働に関する協定です。労働基準法第36条に基づく点と、あらかじめ労働組合などと書面にて締結しておく協定であることから、「三六(サブロク)協定」と呼ばれています。三六協定は従業員の労働環境を整えるためにも重要な協定です。

書面によって結ばれた協定は「時間外・休日労働に関する協定届」として所轄労働基準監督署長へ届け出しなければなりません。三六協定では、届出の対象となる時間外労働に携わる業務の種類、1日・1か月・1年当たりの時間外労働の上限などについて、あらかじめ上限を定める必要があります。

時間外労働・休日労働と三六協定

三六協定が必要となるのは、従業員に時間外労働や休日出勤をさせる場合です。本来、労働基準法では法定労働時間を1日8時間、1週間で40時間までと定めています。法定労働時間を超える労働が「時間外労働」です。また、労働基準法は企業に週1日以上付与することを義務付けています。この休日が法定休日であり、法定休日に働かせる労働が「休日労働」です。なお、時間外労働・休日労働・深夜労働には割増賃金を支払わなければなりません。

三六協定の特別条項について

三六協定には、「特別条項付き三六協定」という種類があります。時間外労働は、1か月45時間・1年360時間という上限があります。この上限を超える場合には「特別条項付き三六協定」を締結しなければなりません。ただし、「特別条項付き三六協定」を締結したい場合には、下記の3つのルールがあります。

  • 延長できる時間は、労使間であらかじめ決めておかなければならない
  • 残業の上限を延長する理由は「特別な事情」がある場合のみ
  • 残業の上限が延長できる月は1年の半分まで

特別条項付き三六協定を締結したからといって、時間外労働の上限がなくなるわけではありません。あくまで延長する時間を定めるための届出です。届出の時間を超える時間外労働は違法となり、罰則があります。

また、特別条項付き三六協定は、特別な事情がある場合のみという条件があります。「特別な事情」とは、機械のトラブル対応・予算または決算業務・ボーナス商戦に伴う業務の繁忙などです。一方で「特別な事情」として認められないケースは、特に事由を限定せず業務繁忙なとき、使用者が必要と認めるとき、特に事由を限定せず業務の都合上必要なときなどです。

さらに、特別条項付き三六協定を締結できる回数は1年に6回までという制限があります。回数に制限がある理由は、②の特別な事情が有耶無耶になることを防ぐためです。 特別条項付き三六協定を締結するためには、回数に制限がある、明確な理由が必要となるなどの条件があることを覚えておきましょう。

三六協定届の記入方法

三六協定の届出には7つの様式があります。基本的には様式第9号に記入しますが、特別条項付き三六協定を締結する場合には様式9号の2に記入しましょう。

なお、2021年4月から新様式の運用が開始されています。新様式では、使用者の署名・押印が不要になり、労働者代表の選出方法に関するチェックボックスが設けられました。 三六協定届には、以下の点を記入します。

  • 時間外労働をさせる必要のある具体的事由
  • 時間外労働が必要な業務とその業務に従事する従業員数
  • 1日、1か月、1年ごとの延長することができる時間数
  • 休日労働をさせる必要のある具体的事由
  • 休日労働が必要な業務とその業務に従事する従業員数
  • 休日労働の日数
  • 休日労働をさせる場合の始業・終業の時刻

記入した時間が残業時間の上限規制を超過していた場合は届出が受理されないため、正確に記入してください。厚生労働省に記入例が掲載されているため、そちらを参考に記入するとよいでしょう。

三六協定を記入したら、各都道府県の所轄労働基準監督署長に提出します。厚生労働省のホームページにて、自社がどの労基署に提出しなければならないのかを確認しましょう。 提出は窓口に書類を持参または郵送、e-Govから電子申請をする方法があります。

三六協定導入時の注意点と罰則について

三六協定で締結した時間を超えて、従業員に時間外労働をさせた場合、企業に対して罰則を課せられる場合があります。

罰則の対象は、三六協定を締結せずに従業員に時間外労働をさせた場合と、三六協定で締結した時間を超えて時間外労働をさせた場合です。三六協定を違反した場合には、労働基準法32条の違反として、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。処罰は企業だけではなく、企業の労務管理を担当する責任者も対象です。

違反を防ぐには、三六協定の上限を超えないことです。三六協定の上限を超えない対策としては、健康確保措置を取り決める、出勤時間や退勤時間の管理徹底、就業規則の改定、特別休暇を付与するなどがあります。

裁量労働制におけるメリット・デメリット

裁量労働制において三六協定を締結することには、メリットとデメリットがあります。

メリットとしては人件費が予測しやすくなります。裁量労働制では、みなし労働時間の概念を用いるため、時間外労働を行っても残業代が発生しません。みなし労働時間から人件費の総額があらかじめ算定できるため、人件費が予測しやすくなります。また、労務管理の負担が軽減される点もメリットです。労働者一人ひとりの残業時間の計算には時間と労力がかかりますが、裁量労働制を導入すれば割増賃金を除いた部分の賃金は一定となるため負担が軽減できます。

一方でデメリットとしては、裁量労働制の制度導入手続きが手間になります。具体的には、労使委員会の設置や、労使委員会の運営ルールを定めるなどを行わなければなりません。

まとめ

従業員に時間外労働をさせるためには、三六協定届を提出しなければなりません。未提出のまま従業員に時間外労働をさせると、労働基準法32条に違反して罰金が課せられます。 時間外労働が必要な場合には、必ず三六協定を締結しましょう。

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