企業が勤怠管理を行う際は「客観的かつ正確に労働時間を把握すること」が原則です。この原則は、テレワーク時も変わりません。
しかし、テレワークでは従業員との対面機会が減るため、正確な勤務状況を把握できず悩んでいる企業も多いはずです。そうした課題を解消するには「メールやチャットツールで勤怠管理する」「勤怠管理システムを活用する」といった方法を実施してください。とくに勤怠管理システムであれば、ICカードやスマホから手軽に勤怠管理しつつ、正確な労働時間を把握できるため、おすすめです。
本記事では、具体的なテレワークの勤怠管理方法やスムーズな管理を実現するポイントなどを解説します。
テレワークも含め、勤怠管理は「客観的に労働時間を把握できる方法」で行うことが大原則です。厚生労働省のガイドラインでも、以下のように定められています。
テレワークでは従業員がオフィスに出社する機会が限られるため、従来のように「タイムカードで打刻する」といった方法は難しいかもしれません。しかし、そうした状況下でも企業は、客観的に従業員の労働時間を把握できる勤怠管理体制を整えることが求められます。
仮に、やむを得ず従業員による完全な自己申告をもとに労働時間を管理する場合、企業は以下の対処が必要です。
労働時間を適切に守る重要性については、「勤怠管理の重要性とは|労働時間を適切に管理するポイント」で詳しく解説しています。
テレワークの勤怠管理を行う際は、以下のような課題に悩む企業が多いはずです。
テレワークでは従業員の様子をオフィスで確認できないため、正確な勤務状況を把握することが困難です。
例えば、出社なら残業している従業員も管理者が直接確認できるため、必要に応じて声掛けしたり別の人に業務を割り振ったりできます。テレワークの場合はそうした確認が難しいため、意図せず「過労死ラインを超える長時間労働を放置してしまった」といった事態が発生するかもしれません。
さらに、従業員が勤怠を記録している様子も確認できないため、不正打刻の発生リスクも高まります。
出社であれば、従業員を評価する際に「毎日真面目に勤務しているか?」「職場の人と上手に人間関係を築いて働きやすい環境を作っているか?」など、さまざま項目を参考にできました。
しかしテレワークの場合、従業員への評価基準が「システムに記録された労働時間」に依存せざるを得ません。そのため、職場での態度や仕事への姿勢など定性的な部分を把握できず、評価の公平性にバラつきが生まれるリスクが生まれます。
もちろん、営業職のように成果を数値で確認しやすい仕事であれば、労働時間ではなく成果重視に切り替えることも可能です。しかし、バックオフィス業務のように成果を数値で表現しにくい仕事では、「長時間労働をしていない=あまり働いていない」といった誤った認識が生まれやすい点が課題です。
「オフィスのタイムカードで打刻する」「社内用パソコンからExcelに記入する」といった形式で労働時間を把握していた場合、テレワークに対応できる勤怠管理の体制を構築しなければなりません。
しかし、新しい体制を構築する場合、慣れるまでは勤怠管理業務が複雑化します。さらに「出社時はタイムカードで打刻・テレワーク時間はメールで労働時間を報告」というように、出勤方法別で勤怠管理している場合は、情報の所在がバラバラになり、労働時間の集計や残業代の計算などがより煩雑になります。
従業員個人が労働時間をExcelで集計し、管理者が毎月回収するということも可能です。しかし、途中経過を把握できないため、勤怠状況に応じた従業員へのアドバイスの実施や不正打刻の防止などは難しくなります。
先述の課題を解消し、テレワーク下で適切な勤怠管理を実現する方法として、主に以下が挙げられます。
出退勤時間をメールやチャットツールなどで従業員に報告してもらう方法を用いれば、テキストで記録が残るため、正確な労働時間を把握できます。また、多くのメールやチャットツールは無料で利用できるため、追加コストをかけず勤怠管理できる点が魅力です。
一方で管理側からすると、全従業員分の勤怠連絡を毎日取りまとめて「Excelへ転記して集計する」「チャットツールで不自然な文面修正を行っていないか確認する」といった手間や時間がかかります。
Excelやスプレッドシートであれば、普段から業務で使い慣れている従業員も多いため、比較的導入しやすいはずです。従業員が直接記入すればよいため、管理者が毎日取りまとめる手間は省けます。
一方で、一般的に最終的な毎月の合計労働時間や給与を計算する際は、管理側の集計対応が必要です。
また、従業員の入力時間に間違いがあったり入力忘れが発生したりすると、正確な労働時間を把握できなくなり、場合によっては、意図的に嘘の時間を入力して残業代を水増し請求されるリスクがある点も確認しておきましょう。
パソコンのログを管理することで、より正確な勤怠管理を実現できます。パソコンログについては、パソコン本体の情報をチェックしたり業務可視化ツールなどを活用して確認したりすることが可能です。パソコンのログであれば、Excelやスプレッドシートより変更の操作が難しいため、従業員による改ざんリスクを大幅に減らせます。
パソコンのログを収集する場合、個別でログ情報を管理するとパソコンを逐一立ち上げる手間がかかるため、できれば業務可視化ツールの導入がおすすめです。
ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールを常に接続しておけば、「必要に応じてカメラをオンにしてもらい在籍確認する」といった方法で、比較的正確に労働時間を把握できます。
実際の勤務態度も確認できるため、テレワーク時でも正当に従業員を評価したい場合におすすめです。従業員からしても、オフィスと同じような感覚で管理者に相談できます。
ただし、従業員が監視されている気持ちになる可能性もあるため注意してください。従業員を不安にさせないためには、「決められた時間のみログインしてもらい在籍確認する」といった配慮が必要です。
先述のように、テレワークで勤怠管理を行う方法はいくつかあります。しかし、いずれの方法も「集計の手間がかかる」「改ざんのリスクがある」といったデメリットがいくつかみられます。そのため、従業員の出退勤時間や休憩時間などを手軽に管理するには「勤怠管理システム」を導入がおすすめです。
勤怠管理システムを活用すれば、ICカードやスマホなどを活用して、従業員の労働時間を正確に把握できます。勤怠管理のために出社する必要がないうえ、システム上で時間を管理できるため、改ざんリスクが少ないのが特徴です。
ほとんどのツールで従業員ごとの労働時間を自動集計できるため、管理者が手作業で毎回集計し給与を計算する手間も削減できます。
このように、勤怠状況の改ざんを防いで労働時間を正確に管理できるため、「労働時間は客観的な方法で管理しなければいけない」という原則と照らし合わせても、勤怠管理システムはベストな方法の一つです。
しかし、勤怠管理システムには多くの製品があるため導入時に迷うかもしれません。もし迷った場合は、まず以下の基準をもとに選定することがおすすめです。
いずれの場合も、自社の導入目的を踏まえて決めることが大切です。
勤怠管理システムの詳しい機能や導入メリットなどは「勤怠管理システムとは?機能や導入メリット、初めての方でも迷わない選び方のポイントなどを詳しく解説」で詳しく解説しています。
もし、自社で導入するにあたって「最低限の機能が利用できればよい」ということであれば、ぜひ株式会社フリーウェイジャパンが提供するフリーウェイタイムレコーダーをご検討ください。
フリーウェイタイムレコーダーは、勤怠管理で最低限必要な機能のみに絞ることで「10人まで永久無料」を実現した勤怠管理システムです。従業員個人のスマホやICカードと連携できるため、テレワーク時も活用できます。難しい初期設定は不要であり、IDとパスワードが発行されれば、最短当日から利用可能です。
「初めて勤怠管理システムを利用するので難しい機能を扱えるかわからない」といった場合でも直感的に利用できるため、ぜひご活用ください。
上記の勤怠管理システムなどを活用し、スムーズな勤怠感を実現したいのであれば、以下のポイントを意識してください。
テレワークの実施にあたり、以下のような状況の取り扱い方法がわからない企業も多いはずです。
上記のような状況を踏まえ、就業規則に改めて「勤怠管理ルール」を明文化してください。例えば、中抜けであれば「2時間中抜けしたら終業時間を2時間繰り下げる」といった内容を明文化しておきます。
就業規則に明文化しておけば、従業員自身で「このケースに該当するので今日の労働時間は○○時間だ」というように、労働時間を正確に判断できます。
就業規則を改訂する場合は、労働基準監督署への届出などの手続きが必要なため、「【2023年4月法改正】就業規則の見直しチェックリストと変更時の5ステップ」で確認してください。
参照:厚生労働省 | テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン
テレワーク時に正確な勤怠管理を実現したいのであれば、自社の状況やニーズにマッチした勤怠管理システムの導入をおすすめします。
例えば「人数が少ない中小企業なので最低限の機能があればOK」ということなら、先述のフリーウェイタイムレコーダーのように、無料で使える製品を選ぶことも1つの手です。
また、「給与計算の手間を減らしたい」という目的なら、給与計算システムと連携できる製品であれば、人事労務管理者や給与計算担当者の業務負担を軽減できます。
そして自社の状況やニーズにマッチした製品を選ぶためには、勤怠管理における自社の課題がなんなのかを明確にしておくことが必要です。
適切な勤怠管理を行うにあたっては、「定期的に出社の機会を作る」ということも大切です。適度に出社の機会があれば、従業員に直接業務状況を確認できます。業務状況を把握することで、「業務量が偏っているので別の人に割り振る」というように、従業員の負担を軽減するアクションも起こせます。業務量を適切に調整できれば、意図せず無理な労働を強いるような状況を防止可能です。
勤怠管理と関連して、従業員の評価基準の見直しも検討してください。テレワークでは従業員の様子を直接確認できないため、評価基準が「労働時間」に偏りがちです。しかし実際は、目に見えない部分で他の従業員をフォローしたり、タスクを多めに引き受けたりしている従業員もいます。
こうした可視化されにくい従業員の努力を評価に反映できるよう、「プロジェクト管理ツールをもとに過程も評価基準に入れる」といった形で改めて基準を見直すことが大切です。
すでにテレワークを導入している企業の中には「本当に従業員の勤怠状況を正しく管理できているかわからない」という悩みを抱えているケースもあるはずです。
テレワークでは従業員と対面できる機会が減るため、正確な勤怠管理の実施にハードルの高さを感じるかもしれません。しかし、勤怠管理システムといった適切なツールを活用すれば、客観的かつ正確な勤怠管理を実現可能です。
便利なツールの導入や、テレワーク向けの就業規則改訂、定期的な出社などの施策を実施することで、従業員の勤怠を適切な管理を実現しましょう。
Q1.テレワークにおける勤怠管理の方法は? |
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主な勤怠管理としては、以下が挙げられます。
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Q2.テレワークの勤怠管理でよくある課題は? |
主に以下のような課題が挙げられます。
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この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員10人まで永久無料の勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」を提供しています。フリーウェイタイムレコーダーはクラウド型の勤怠管理システムです。ご興味があれば、ぜひ使ってみてください。