現状、一般的には週休2日制と完全週休2日制が一般的ですが、働き方改革などやコロナ禍においてリモートワークをする人が増加などの背景により週休3日制を導入する企業も増えてきました。本記事では、週休3日制を導入するメリット・デメリットから、気をつける点について具体例を提示しながらわかりやすく解説します。
週休3日制は、一週間のうち休みが3日になる制度です。一般的な週休2日制や完全週休2日制と比べ、新しい休日制度であり、働き方改革などの背景に取り入れる企業が増えています。
政府の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針である「経済財政運営と改革の基本方針2021」に選択週休3日制の導入が方針として盛り込まれ、奨励されました。
奨励はされているものの、2022年11月時点では、全企業に週休3日制が義務化や完全導入はされておらず、一部の企業が新しい働き方のあり方の一つの制度として任意で導入を始めています。
以下、本文引用
(5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実
~~~中略~~~
選択的週休3日制度について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る。
週休3日制は、具体的には以下の3種類に分けることが可能です。
給与減額型は、週休を増やした分、労働時間が減少した分の給与が減額される制度です。
1日当たりの所定労働時間は変わりませんが、月の総労働時間が減少します。
企業側の人件費削減になりますが、社員は労働時間の減少とともに収入も減少します。
▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合
所定労働時間 | 8時間×4日=32時間(週休2日制対比:8時間減少) |
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給与 | 32時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:8時間分の賃金が減額) |
総労働時間維持型は、勤務する4日間にするものの、1日あたりの所定労働時間を増やし、休日を週3日にする制度です。
1週間の総労働時間は5日間勤務と変わらないので、収入が変わらないまま休日を増やすことが可能です。
▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合
所定労働時間 | 10時間×4日=40時間(週休2日制対比:1日あたりの所定労働時間が2時間増加) |
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給与 | 40時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:変動なし) |
給与維持型は、勤務日を4日間にして総労働時間が減少しても、給与を変更しない制度です。
業務の効率化を行い、短い時間で同じ成果を出すことが求められます。
▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合
所定労働時間 | 8時間×4日=32時間(週休2日制対比:8時間減少) |
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給与 | 32時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:変動なし※1時間の賃金が増加) |
週における休みが増えることによって、柔軟な働き方が可能になります。
採用する企業は、多様な人材の受け入れや、採用の強化につながり、人手不足の解消の一手になります。また、ワークライフバランスを考えながら働きたい従業員にとっては、増えた休日で、育児・介護・再学習等への時間を確保することができ、仕事と生活両方を充実させることが可能です。双方にとってメリットのある制度になります。
優秀な人材を集めやすい |
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離職を防止 |
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社員のスキルアップ |
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業務の効率化 |
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経費削減 |
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一方で、週休3日制の懸念事項となるポイントも確認しておきましょう。
ビジネスチャンスの損失 |
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1日の所定労働時間増加 |
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人件費の増加 |
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以上の留意点がある中で、実際に週休3日制を導入するにあたり、気をつけるべきポイントを紹介します。
はじめに、何のために週休3日を導入するのかという目的を明快にしましょう。
社員のスキルアップを促進するためや、離職率を下げるためなど、目的がはっきりとしていれば、週休3日制導入の効果を図ることができます。
週休3日制を利用できる対象者を決める必要があります。(全社員・一部の部署の社員・希望者・育児・介護中の社員など)対象者の範囲を考慮して、制度の概要を決定しましょう。
冒頭で述べた通り、週休3日制は3パターンあります。目的に応じた内容と設計し、週休3日制を導入することで給与が変わる可能性があれば、労働者と使用者の間で合意を取る必要があります。
導入に伴い、休日制度、平均給与、有給休暇の見直しが必要になる場合がありますので合わせて労務規定を確認しましょう。
休暇を活用して副業や兼業をすることを認めるかどうかを決める必要があります。「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、副業・兼業を推進していますが、自分の企業にとっての是非も合わせて検討しましょう。
冒頭で述べた「経済財政運営と改革の基本方針2021」のように、官公庁でも労働生産性の向上を目的とし、週休3日制の推進を進めています。ここでは、実際にどのような取り組みが行われているか、事業例をご紹介します。
東京都では、都内の中小企業を対象とし、従業員のエンゲージメントの向上や賃上げに取り組む企業に対し、奨励金を支給すると発表しました。(2022年10月)
▼引用:魅力ある職場づくりに取り組む企業を支援|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/10/07/21.html
エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や貢献する意欲を表す概念のことです。エンゲージメントには、従業員の働きがいや、労働条件への満足度が影響し、エンゲージメントが高いほど、労働生産性は高くなると言われています。
この事業では、専門家が企業に派遣され、エンゲージメント向上に関わる9項目をチェックします。そして、そのチェック項目の一つとして、週休3日制があります。このように、週休3日を導入することが、生産性向上につながるという認識が広がりつつあります。
本記事では、週休3日制導入のメリット・デメリットや、導入時のポイント、官公庁の推進事業例をご紹介しました。
週休3日制を効果的に導入するには、企業の人事が働きかけるだけでなく、経営面からの見直しも必要ですが、週休3日制を導入することは、社員と会社両方にメリットがあります。
働き方の多様化は現代社会で重要なポイントとなってきているので、ぜひ週休3日制の導入を検討してみて下さい。
この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員10人まで永久無料の勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」を提供しています。フリーウェイタイムレコーダーはクラウド型の勤怠管理システムです。ご興味があれば、ぜひ使ってみてください。