週休3日制とは?導入するメリット・デメリットと注意点を解説

更新日:2023年01月11日
週休3日制

現状、一般的には週休2日制と完全週休2日制が一般的ですが、働き方改革などやコロナ禍においてリモートワークをする人が増加などの背景により週休3日制を導入する企業も増えてきました。本記事では、週休3日制を導入するメリット・デメリットから、気をつける点について具体例を提示しながらわかりやすく解説します。

週休3日制の概要

週休3日制は、一週間のうち休みが3日になる制度です。一般的な週休2日制や完全週休2日制と比べ、新しい休日制度であり、働き方改革などの背景に取り入れる企業が増えています。

政府の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針である「経済財政運営と改革の基本方針2021」に選択週休3日制の導入が方針として盛り込まれ、奨励されました。

奨励はされているものの、2022年11月時点では、全企業に週休3日制が義務化や完全導入はされておらず、一部の企業が新しい働き方のあり方の一つの制度として任意で導入を始めています。

以下、本文引用

(5)多様な働き方の実現に向けた働き方改革の実践、リカレント教育の充実
 ~~~中略~~
選択的週休3日制度について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る。

▼引用記事
経済財政運営と改革の基本方針2021 について

週休3日制の3パターン

週休3日制は、具体的には以下の3種類に分けることが可能です。

①給与減額型(賃金額・総労働時間ともに減少)

給与減額型は、週休を増やした分、労働時間が減少した分の給与が減額される制度です。
1日当たりの所定労働時間は変わりませんが、月の総労働時間が減少します。
企業側の人件費削減になりますが、社員は労働時間の減少とともに収入も減少します。

▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合

所定労働時間 8時間×4日=32時間(週休2日制対比:8時間減少)
給与 32時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:8時間分の賃金が減額)

②総労働時間維持型(賃金額・総労働時間ともに変動なし)

総労働時間維持型は、勤務する4日間にするものの、1日あたりの所定労働時間を増やし、休日を週3日にする制度です。
1週間の総労働時間は5日間勤務と変わらないので、収入が変わらないまま休日を増やすことが可能です。

▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合

所定労働時間 10時間×4日=40時間(週休2日制対比:1日あたりの所定労働時間が2時間増加)
給与 40時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:変動なし)

③給与維持型(賃金額は変動なし、総労働時間は減少)

給与維持型は、勤務日を4日間にして総労働時間が減少しても、給与を変更しない制度です。
業務の効率化を行い、短い時間で同じ成果を出すことが求められます。

▼例:週4勤務・1日8時間勤務の場合

所定労働時間 8時間×4日=32時間(週休2日制対比:8時間減少)
給与 32時間×1時間あたりの賃金(週休2日制対比:変動なし※1時間の賃金が増加)

週休3日制のメリット

週における休みが増えることによって、柔軟な働き方が可能になります。
採用する企業は、多様な人材の受け入れや、採用の強化につながり、人手不足の解消の一手になります。また、ワークライフバランスを考えながら働きたい従業員にとっては、増えた休日で、育児・介護・再学習等への時間を確保することができ、仕事と生活両方を充実させることが可能です。双方にとってメリットのある制度になります。

優秀な人材を集めやすい
  • 週休3日制を導入することで、今まで時間的制約で採用できていなかった優秀な人材へのアピールポイントとなります。
離職を防止
  • 育児・介護などで時間が必要な人でも働き続けやすくなります。各社員のペースに合った働き方が可能になります。
社員のスキルアップ
  • 週休3日制になることで、休日を有効活用すれば、資格の取得や大学院での学び直しに時間を使うことが可能です。スキルアップした社員に働いてもらうことで、企業の利益増加も期待できます。
業務の効率化
  • 週休3日制を取り入れる場合、少なくなった労働時間で同じ量の仕事をこなすために、仕事の効率化・スキルアップが求められ、結果的に業務の効率化になります。
経費削減
  • 給与の削減、オフィスの縮小化、経費の削減につながる可能性もあります。

週休3日制のデメリット

一方で、週休3日制の懸念事項となるポイントも確認しておきましょう。

ビジネスチャンスの損失
  • 出勤する日数が少なくなることで、コミュニケーションの機会が減少します。また、他社や他部署とのコミュニケーションの時間が減ることにより、ビジネスチャンスの減少や、他部署との連携の滞りに繋がる可能性があります。
1日の所定労働時間増加
  • 職種によっては、週休3日制を取り入れると、一日の労働時間を増やさざるを得ない場合があります。
人件費の増加
  • 業務量の減少や効率化が難しい場合は、別の人員増加が必要となる場合も懸念されます。

導入時の留意するべきポイント

以上の留意点がある中で、実際に週休3日制を導入するにあたり、気をつけるべきポイントを紹介します。


1. 導入の目的を確認

はじめに、何のために週休3日を導入するのかという目的を明快にしましょう。
社員のスキルアップを促進するためや、離職率を下げるためなど、目的がはっきりとしていれば、週休3日制導入の効果を図ることができます。

2. 対象者の策定

週休3日制を利用できる対象者を決める必要があります。(全社員・一部の部署の社員・希望者・育児・介護中の社員など)対象者の範囲を考慮して、制度の概要を決定しましょう。

3. 目的に応じた各種制度の確認・給与の算定

冒頭で述べた通り、週休3日制は3パターンあります。目的に応じた内容と設計し、週休3日制を導入することで給与が変わる可能性があれば、労働者と使用者の間で合意を取る必要があります。

導入に伴い、休日制度、平均給与、有給休暇の見直しが必要になる場合がありますので合わせて労務規定を確認しましょう。

4. 副業の可否

休暇を活用して副業や兼業をすることを認めるかどうかを決める必要があります。「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、副業・兼業を推進していますが、自分の企業にとっての是非も合わせて検討しましょう。

取り組み事例

冒頭で述べた「経済財政運営と改革の基本方針2021」のように、官公庁でも労働生産性の向上を目的とし、週休3日制の推進を進めています。ここでは、実際にどのような取り組みが行われているか、事業例をご紹介します。

官公庁のエンゲージメント向上に向けた職場環境づくり推進事業(東京都)

東京都では、都内の中小企業を対象とし、従業員のエンゲージメントの向上や賃上げに取り組む企業に対し、奨励金を支給すると発表しました。(2022年10月)

▼引用:魅力ある職場づくりに取り組む企業を支援|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/10/07/21.html

エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や貢献する意欲を表す概念のことです。エンゲージメントには、従業員の働きがいや、労働条件への満足度が影響し、エンゲージメントが高いほど、労働生産性は高くなると言われています。

この事業では、専門家が企業に派遣され、エンゲージメント向上に関わる9項目をチェックします。そして、そのチェック項目の一つとして、週休3日制があります。このように、週休3日を導入することが、生産性向上につながるという認識が広がりつつあります。

まとめ

本記事では、週休3日制導入のメリット・デメリットや、導入時のポイント、官公庁の推進事業例をご紹介しました。

週休3日制を効果的に導入するには、企業の人事が働きかけるだけでなく、経営面からの見直しも必要ですが、週休3日制を導入することは、社員と会社両方にメリットがあります。
働き方の多様化は現代社会で重要なポイントとなってきているので、ぜひ週休3日制の導入を検討してみて下さい。

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