オフボーディングとは|具体的な方法、成功させるコツ、従業員の退職を防ぐ方法を解説

更新日:2024年12月26日

従業員の円満退社を目指す「オフボーディング」は、会社のブランディング向上退職者の再雇用に効果的な施策です。

自社に合った形で取り入れて適切に運用し、効果を最大化させたいですよね。

そこでオフボーディングの基本情報から具体的な方法までを網羅的に解説します。

成功させるコツも解説するので、本記事を最後まで読めば会社のブランディング向上と優秀な人材の再雇用につながります。

ぜひ参考にしてください。

目次

オフボーディングとは何か?基本情報

「オフボーディング」とは従業員が円満退社をするためのサポートを指します。主な目的は会社と退職者の良好な関係の構築による、会社の評価向上、従業員の再就職、新しい人材の紹介などです。

類語として新入社員の育成を行う「オンボーディング」が挙げられます。オンボーディングは新入社員の能力発揮と早期退職予防のために行われ、具体的な取り組みとしては以下のものがあります。

オンボーディングの具体例

  • オリエンテーションや研修の実施
  • 短期目標の設定
  • 定期面談の実施

オフボーディングは、オンボーディングで育成した従業員と良好な関係を維持するための転職サポートであるといえます。

オフボーディングが注目されている背景

近年、オフボーディングはさまざまな業界の事業主によって注目されており、その主な理由として以下の3つが挙げられます。

オフボーディングが注目されている背景

  • 会社の評判を落としたくないから
  • 人材の流動性が高まったから
  • アルムナイ採用(離職者の再雇用)が一般化したから

本項では各理由について詳しく解説するので、内容を抑えておくとオフボーディングの理解を深めるうえで効果的です。

会社の評判を落としたくないから

現代はSNSや口コミで個人が自由に情報発信できるため、会社が退職時に悪い対応をするとSNSや口コミに悪評を書き込まれてしまう恐れがあります。

悪評は会社のブランディングに悪影響を与え、売り上げや就職希望者の低下につながるため、オフボーディングによる退職者との良好な関係の構築は会社のブランディングにおいて重要です。

人材の流動性が高まったから

現代は終身雇用制度を採用している会社の減少に伴い労働者が転職するのは当たり前になっているため、会社が退職に接する機会が増えています。

オフボーディングは増加傾向にある退職をスムーズかつトラブルなく行う方法としても注目されています。

アルムナイ採用(再雇用)が一般化したから

人材の流動化に伴い、退職した従業員を再び雇用する「アルムナイ採用」を導入している会社は少なくありません。

アルムナイ採用は自社の経験者を雇用できるほか、一般的な採用方法と異なり転職エージェントの仲介を必要とせず採用コストの節約につながるため注目されています。

多くの会社がアルムナイ採用を目指してオフボーディングで良好な関係を築こうとしています。

企業がオフボーディングに取り組むメリット

企業がオフボーディングに取り組むと得られる主なメリットは以下の3つです。

企業がオフボーディングに取り組むメリット

  • 急な退職を防げる
  • 職場改善につながる
  • 会社のブランディングに良い影響を与える

各メリットについて詳しく解説します。導入の検討材料として活用してください。

急な退職を防げる

従業員たちが円満な退職をサポートしてもらえると理解していれば、退職を検討した段階での相談が期待できます。

オフボーディングによって事前に相談してもらえる信頼関係を構築していれば、急な退職や無断欠勤による混乱の回避が可能です。

職場改善につながる

オフボーディングの1つとして退職者と面談を行って退職検討理由をヒアリングすれば、雇用条件や労働環境の改善点が見つかります。

退職希望者に具体的な改善策を提案すれば退職の防止につながるほか、改善策を実行すれば職場環境が改善され他の従業員の退職の予防が期待できます。

会社のブランディングに良い影響を与える

オフボーディングによって退職者と良好な関係を築いておけば、退職後にSNSや口コミで悪評を書かれるリスクの軽減が可能です。

また場合によっては良い評判を広めてもらえるため、会社のブランディングに良い影響を与える可能性もあります。

オフボーディングの具体的な方法

オフボーディングは従業員の退職が決まってから、退職直前・当日、退職後それぞれの段階に行うべきサポートがあります。各段階で行うことは以下の通りです。

オフボーディングの各段階で行うべきサポート

退職が決まってから 退職直前・当日 退職後
  • 退職希望者の面談
  • 社内での公表と引き継ぎ
  • 必要書類の準備
  • 備品の回収
  • 共有データへのアクセス権の停止
  • 送別会の実施
  • 必要書類の送付
  • 社内イベントへの誘致

本項では各段階で抑えるべきポイントとサポートごとの詳細を解説します。実行する際はガイドブックとして役立ててください。

退職が決まってからすること

退職が決まってからは希望者と面談を行ったうえで退職の準備を進めます。

退職希望者の面談

退職を検討していると連絡を受けた後にまず行うのは、会社への不満や今後のキャリアプランについてヒアリングする面談です。

面談では退職の意思を尊重しつつ「気が向いたら戻ってきてほしい」とメッセージを伝えると、関係を良好に保ちつつ再雇用を期待できます。

社内での公表と引き継ぎ

退職によって影響を受けると考えられる部署やチームに退職を発表し、退職希望者による業務の引き継ぎをサポートします。

早めに退職について連絡をしておけば引き継ぎに時間をかけられるため、退職後の混乱を予防して業務を円滑に継続できるでしょう。

必要書類の準備

退職が決まった段階で退職するときに必要な源泉徴収票や離職票の準備をします。

あらかじめ用意しておくと作成に余裕が持てるためミスが起こりにくく、会社の評判を下げにくくなります。

退職直前・当日にすること

退職直前に行うサポートは退職希望者が使用していた備品共有データのアクセス権の停止です。

また本人が希望している場合は送別会を実施します。

備品の回収

会社から支給しているパソコンを含めた備品は退職日当日に回収します。これは退職希望者が当日までは使用するためです。

パソコンの内部に入っているデータは引き継ぎに必要なものとそうでないものを分類し、必要ないものは削除します。またパソコンを廃棄する場合はデータを完全に消去しないと情報漏洩のリスクが生じるため削除確認を徹底しましょう。

共有データへのアクセス権の停止

情報漏洩を防ぐためにクラウドで共有されているデータへのアクセス権を停止します。

退職後に連絡を取り合う場合でもアクセス権は停止し、専用のチャットグループを作って招待してセキュリティ対策を行いましょう。

送別会の実施

送別会を実施して退職者に今までの貢献に対する感謝を伝えれば、良好な関係作りにつながります。

本人が望んでいないのにも関わらず無理やり送別会を実施すると、信頼関係を崩す恐れがあるため行わないようにしましょう。

退職後にすること

退職後は源泉徴収票や離職票などの必要書類を退職者に送付します。また社内イベントに招待し関係維持を図ります。

必要書類の送付

源泉徴収票は次の職場で年末調整をするときに必要であり、離職票は次の仕事を探す間に失業手当をもらうため必ず送付しましょう。送付はなるべく早く行うと退職者に好印象を与えられます。

また社内で独自に送付する書類があれば同じタイミングで送付すると手間が省けます。

社内イベントへの招待

パーティーやクラブ活動などの社内イベントを行うときは、退職者も誘うと関係が維持され評判向上や再就職につながります。

また退職者が従業員と関係を構築していれば、再就職したときのスムーズなコミュニケーションが可能です。

オフボーディングを成功させるコツ

オフボーディングを実行するときは以下3つのコツを抑えると、従業員の円満退社を目指すうえで効果的です。

オフボーディングを成功させるコツ

  • 退職者の転職をサポートする
  • 退職者の不満をヒアリングする
  • 定期的な面談も行う

本項では、それぞれのコツについて成果につながる根拠や具体的な方法を解説します。オフボーディングの具体的な方法と合わせて実行するときに参考にしてください。

退職者の転職をサポートする

面談では退職の意思を否定せず転職の準備を前向きにサポートすると、退職者の企業に対する好感度も上がり、転職先からの再就職も期待できます。

また退職の意思を受け入れつつも「また仕事をしたい」と伝えておくと効果的です。

退職者の不満をヒアリングする

面談を行うときは退職の理由や不満をヒアリングすれば退職率の低下につながります。また以下の3つを意識的に行えばヒアリング効果の向上が期待できます。

ヒアリング効果を向上させるコツ

  • 退職の意思を尊重する
  • 不満を引き出す
  • 「また働きたい」意思を伝える

退職を認めるときは、いきなり認めるのではなく退職を決意した経緯を聞き出すと、会社側でできるサポートの提案による引き留めも可能です。また不満を聞き出すときは誰に共有されるのかも伝えておくと、退職者が安心して話しやすくなります。

在職中に定期的な面談を行う

従業員が退職を希望したときだけではなく、定期的に不満がないかをヒアリングしたり、今の業務が従業員の希望するキャリアプランに合っているのかを確認したりすると信頼関係を築けます。

また面談する癖をつけておけば、オフボーディングでの面談でも会社に対する不満がヒアリングしやすくなるでしょう。

従業員の退職を予防するためにできる施策

オフボーディングによって従業員の再雇用を目指す場合、なるべくなら退職自体を防ぎたいですよね。

そこで本項では、退職を予防するためにできる施策として以下の3つを紹介します。

従業員の退職を予防するためにできる施策

  • コミュニケーションの取りやすい環境を作る
  • 従業員が成長しやすい環境を作る
  • 雇用条件を見直す

施策ごとに詳しく解説するので、オフボーディングと共に取り組んでください。

コミュニケーションの取りやすい環境を作る

以下のような施策でコミュニケーションの活性化を促すと、従業員が互いを理解して良好な人間関係の構築につながります。

コミュニケーションの活性化を促す施策

  • 社内イベント、交流会の実施
  • 社内ブログや社内SNSなどの導入
  • 社内表彰制度の導入

人間関係の悩みは退職の大きな要因であるため、良好な人間関係の構築は職場関係の改善と退職の防止につながります。

従業員が成長しやすい環境を作る

従業員が成長しやすい環境を作ればモチベーション向上による退職予防につながります。具体的な方法は以下のとおりです。

従業員の成長を促す施策

  • 定期的に入社後のフォロー面談を行う
  • OJTやOff-JTなどの研修制度を整える
  • 適切な評価制度を作る
  • 上司のマネジメントスキルを向上させる

従業員のモチベーション向上は業績の向上にもつながるため、積極的な取り組みをおすすめします。

雇用条件を見直す

給与額、福利厚生、労働時間などの雇用条件を見直し改善すれば、従業員のモチベーションが高まり離職予防につながります。

またリモートワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方ができる体制を整えると、より大きなモチベーションアップが期待できるでしょう。

まとめ|オフボーディングの導入で急な退職を予防しよう

従業員が突発的に退職してしまうと、社内が混乱し業務に支障をきたす恐れがあります。また突発的に退職してしまうのは不満を打ち明けられる信頼関係を構築できていないからであり、退職後に悪評を広められるかもしれません。

オフボーディングは人材の流動性が高まっている今日、業務の円滑化や会社のブランディングのために必要な施策です。

最後に本記事の内容をまとめるのでオフボーディングの導入検討・実施に役立ててください。

本記事の内容まとめ

  • オフボーディングとは従業員が円満退社をするためのサポート
  • オフボーディングが注目されている理由には、会社の評判を落としたくないから、人材の流動性が高まったから、再雇用が一般化したからが挙げられる
  • 企業がオフボーディングに取り組むメリットは、急な退職を防げる、職場改善につながる、会社のブランディングに良い影響を与えるの3つ
  • 退職が決まってから行うオフボーディングは、退職者の面談、社内での公表と引き継ぎ、必要書類の準備の3つ
  • 退職直前・当日に行うオフボーディングは、備品の回収、共有データへのアクセス権の停止、送別会の実施(本人が望んだ場合のみ)の3つ
  • 退職後に行うオフボーディングは、必要書類の送付、社内イベントへの誘致の2つ
  • オフボーディングを成功させるコツは、退職者の転職をサポートする、退職者の不満をヒアリングする、定期的な面談も行うの3つ
  • 従業員の退職を予防するためにできる施策は、コミュニケーションの取りやすい環境を作る、状業員が成長しやすい環境を作る、雇用条件を見直すの3つ

オフボーディングを適切に行い会社のブランディング向上と従業員の再雇用を目指しましょう。

よくある質問

Q1.オフボーディングとは何?
「オフボーディング」とは従業員が円満退社をするためのサポートを指します。主な目的は会社と退職者の良好な関係の構築による、会社の評価向上、従業員の再就職、新しい人材の紹介などです。 詳しくはオフボーディングとは何か?基本情報で解説しています。
Q2.オフボーディングの具体的な方法は?
オフボーディングは従業員の退職が決まってから、以下のように退職直前・当日、退職後それぞれの段階に行うべきサポートがあります。
<退職が決まってから>
  • 退職希望者の面談
  • 社内での公表と引き継ぎ
  • 必要書類の準備
<退職直前・当日>
  • 備品の回収
  • 共有データへのアクセス権の停止
  • 送別会の実施
<退職後>
  • 必要書類の送付
  • 社内イベントへの誘致
それぞれのサポートについてはオフボーディングの具体的な方法で解説しています。
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