勤怠不良の社員は解雇すべきなのか~未然に防ぐ対応策~

更新日:2021年05月24日
目覚まし時計

本来の仕事に集中して成果をあげるためには、社内のルールがきちんと守られて、社員全員が気持ちよく働ける職場であることが理想です。ですが、そんな当たり前とも思われる環境を作ることは意外と難しく、苦労されている職場も多いのではないでしょうか。今回は、社内の最低限のルールを守らない勤怠不良の社員が出ないための対策と、出てしまった場合の対応について考えます。

勤怠不良の社員が出ないための対策

やむを得ない事情があるわけでもないのに、就業規則に定められた就業開始時間に遅刻する。早退や離席、欠勤などを繰り返す。同僚や取引先に迷惑をかけてしまう社員がいると、業務に支障をきたすだけでなく、まわりの社員の士気も下がってしまいます。そういった社員が出ないように、企業としてまずチェックしておきたいことが2つあります。

  • 客観的な勤怠管理システムの導入

    まずチェックしてほしいのが、勤怠の管理に用いているタイムカードです。もし、エクセルや直筆記入といった自己申告制の場合は、一刻も早くシステム変更することをおすすめします。時計と一緒になったカード式のものや、パソコンを立ち上げて打刻したりICカードや携帯を利用して打刻したりするデジタル式のタイムカードに変更することで、遅刻の抑制につながります。

    自己申告制の場合は就労時間ギリギリに出社する社員が出て遅刻につながる可能性が高くなってしまうため、不公平のない客観的なシステムを導入することが重要です。

  • 就業規則の見直し

    タイムカードと併せてチェックしておきたいのが、就業規則です。 ノーワーク・ノーペイの原則から、就業規則に記載していなくても、遅刻や早退をした時間分の給与を減給できます。しかし、ただ単に、時間分を減給するだけでは社員の勤怠不良を抑制する効果は薄いため、就業規則に遅刻・早退・離席の際の罰則的な減給の規定を就業規則に定めることも1つの方法です。

    その際に気をつけたいのは、労働基準法第91条の規定です。「就業規則で労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10 分の1を超えてはならない。」と規定されています。また、支給要件が明確に定められている場合には賞与は賃金であり、同じ扱いとなります。法律に違反しないような規定にしなくてはなりません。

勤怠不良の社員が出た場合の対応

疲れた男性

ここまで、勤怠不良の社員を出さないために企業がチェックしておくべきことをご紹介しました。ですが、十分な対策をしているにもかかわらず、勤怠不良の社員が出てしまうこともあり得ます。残念ながら、すべてのケースに対応できる万能な解決策はありません。そのため、状況に合わせて対応していくことが重要です。

  • 遅刻の何が問題なのかを根気よく伝える

    勤怠不良にもさまざまな種類がありますが、企業側が最も多いと感じるのは遅刻についてではないでしょうか。遅刻の原因は生活リズムによるものが多く、常習化する傾向があります。若い社員などは一度でも遅刻が許されてしまうと、学生気分が抜けきらずいつまでたっても遅刻が直らない、といった事態に陥ることも考えられます。早いうちから対応し、諦めず冷静に注意してください。同僚に迷惑がかかることや業務に支障が出ることを説明し、本人の意識を変えていくことが大切です。定期的に仕事の目的・目標を共有し、会社は同僚や得意先とチームで仕事をしていることをしっかりと認識させましょう。

  • 業務量や配分を見直す

    また、残業が多いことが原因で遅刻につながっているようでしたら、業務量や配分を見直すべきでしょう。体調や精神状態に問題があると思われる場合には、医療機関の受診を促すことも必要です。

  • 労働条件の変更を検討する

    対して、勤怠が良くなくても、能力が高くしっかり成果を出せる社員も存在します。職種にもよりますが、勤怠をうるさく言い過ぎて成果を発揮できなくなる様では逆効果なので、臨機応変に対応したいものです。フレックスタイムや裁量労働制の導入など、労働条件の変更を検討しても良いかもしれません。

  • 勤怠不良の社員の懲戒解雇

    何度注意しても勤怠不良が治らず、まわりの社員にも悪影響を与える問題社員は、解雇を検討したくなると思います。しかし、解雇は勤怠の証拠を集めた上で客観的に判断する必要があります。

    どんなに態度の悪い社員に対しても、「クビだ!」と怒鳴り散らしてはいけません。まずは、冷静な態度で何度も注意や指導をして、その記録を残しましょう。それでも改善されなければ、後で従業員とトラブルを起こさないためにも社会保険労務士や弁護士などに相談し、正しい手順で準備をしてください。

勤怠不良の対応策まとめ

ノートPCとメモ帳とサラリーマン

さまざまな対応策を考えてきましたが、状況が深刻になる前に早めに対応することが何よりも大切です。考えられる方法を試しても改善されない場合には、専門家にアドバイスを求めて、大きな問題に発展しないように心がけましょう。

この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員10人まで永久無料の勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」を提供しています。フリーウェイタイムレコーダーはクラウド型の勤怠管理システムです。ご興味があれば、ぜひ使ってみてください。

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