パラレルキャリアとは?副業との違いやメリットを紹介

更新日:2020年07月07日
パラレルキャリア

パラレルキャリアは、新しい生き方の定義として徐々に注目を集めています。パラレルキャリアはどのような生き方を指し、そのメリットはどのようなものなのでしょうか。今回は、パラレルキャリアと副業との違いなど、その基本的な考え方と将来性などを詳しく見ていきましょう。

ドラッカーが提唱した新しい生き方

パラレルキャリアとは、本業とは別にキャリアを構築していくことを指します。「平行・並列」の意味を持つ「パラレル」と経験の蓄積を示す、「キャリア」を組み合わせた造語で、経営学者のピーター・ドラッカー(P.F.ドラッカー)が定義した生き方のひとつです。

1999年ダイヤモンド社から発売されたドラッカーの著書「明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命」は、21世紀型のマネジメント を描き出すことをテーマとし、ビジネスマンに限らず多くの読者に衝撃を与えました。本書内で登場する次世代の働き方が、パラレルキャリアです。

より豊かに生きるために

たとえば、サラリーマンとして平日の勤務時間を全うしながら、休日や夜の時間を使ってイラストを描いて発表を続けるなどの生き方が、パラレルキャリアにあたります。この2つめのキャリアには、自分の強みを活かせるものや、課題意識を持っているものなどが選択されるケースが多いでしょう。会社に勤め、定年退職するまで自社のために人生を捧げる生き方は、豊かさの定義が変わりつつある社会の中では、必ずしも魅力的ではありません。また、多岐にわたる改革が求められる企業側に取っても、働き手の成長を止めてしまう恐れがあります。個人がよりよく生きることを鑑みたとき、パラレルキャリアがあることで自身の働き方が改善されたり、新たな収入を得る方法を見出したりと、さまざまなメリットが考えられます。

パラレルキャリアと副業の違い

パラレルキャリアは副業と混合されがちですが、大きな違いは収益を目標とするかどうかです。

多くの副業はメインとなる仕事の他からの収益を得ることを目的としていますが、パラレルキャリアは「キャリア」を積むことが目標となります。そこに収益がなくとも構わないという人が多く、たとえば、NPOでの活動を始める人、ボランティア活動に参加する人などもパラレルキャリアに該当します。

結果的にパラレルキャリアが収益を上げることも

収益を目的としなくても、パラレルキャリアが収益を生むことがあります。たとえば、企業で勤めながら歌手として活動を続けているような人は、はじめはステージで歌ってもギャランティが発生しないかもしれません。しかし、徐々にファンが増えていき収入を得られるようになったというケースもあるでしょう。パラレルキャリアが、市場のニーズにマッチしている場合などは、結果的に収益化することもあるのです。

パラレルキャリアのメリット

パラレルキャリアには、以下のようなメリットがあります。

  • パラレルキャリアを始めると本業が充実する

    多くのパラレルキャリアの持ち主が挙げるメリットは、本業への情熱が高まるということです。自身のやりたいことをできることで「仕事のせいで好きなことができない」というフラストレーションが減り、パラレルキャリアの活動を持続するために本業で稼ぐことを改めて自覚することに繋がるでしょう。また、本業に役立つようなスキルアップの可能性もあります。たとえば、ボランティア団体でリーダーを努めたことでリーダーシップが身につき、それが本業でも生かされるといったケースもあります。

  • 叶えたかった夢に挑戦できる

    また、収益を目的としないことから、胸に秘めていた夢に挑戦しやすいのもパラレルキャリアを始めるメリットです。生活を支える本業の仕事があるからこそ、お金とは関係なく様々な選択肢が用意されているのが、パラレルキャリアの魅力です。

  • 理念があるから協力者が現れやすい

    パラレルキャリアは「自身のやりたいこと」であるため、その活動を実行する根拠や道筋が明確であることが共通しています。そうしたパラレルキャリアを続ける人には、自然と協力者や同じ志を持つ仲間が集まり、それを実現するための資金や人脈が広がっていく可能性が高いのです。クラウドファンディングによる資金調達や、人脈を活かしたPR活動をして、パラレルキャリアを事業化する人や起業をする人もいます。

社会貢献に携わる人が増える?

パラレルキャリアは利益を目的としていないため、営利団体が事業として扱わなかったテーマに取り組む人が多い傾向です。パラレルキャリアのひとつとして、「プロボノ」と呼ばれるボランティア活動があります。プロボノは自身の持つキャリアやスキルを活かしたボランティア活動で、たとえば、貧しい子供たちへ料理を振る舞う活動を続ける調理師などの例があります。パラレルキャリアが広まることで、そういった社会貢献活動に関わる人が増えることが考えられます。

パラレルキャリアを始めるなら

パラレルキャリアは、このように収益以外の面でのメリットが多くあり、多くのビジネスパーソンの新しい生き方を示唆するものと言えるでしょう。一方で、パラレルキャリアが収益を生むことになった場合、確定申告が必要になる可能性があります。その点は副業と同じですから、パラレルキャリアで報酬をもらうことを考えているなら、始める前に会計処理などの知識を学んでおくとよいかもしれません。ただし、先のことを考えすぎて行動できなくなっては本末転倒です。何よりも大切なのは「やりたいことに挑戦する」ことです。あなたの夢を実現するための手段として、パラレルキャリアが有効なのであれば、今すぐ始めましょう。

本業との掛け算で相乗効果を生み出す

  • パラレルキャリアは本業にもプラスになる?

    パラレルキャリアとは、本業とは別にもうひとつのキャリアを積み重ねる生き方です。自身のやりたいことや、持っているスキルを活かした活動を収入にこだわらず続けることが、キャリアとして認められるのです。かつて経営学者のピーター・ドラッカー(P.F.ドラッカー)が自著の中で次世代の働き方や生き方のキーとなるものとして掲げたパラレルキャリアは、徐々に浸透しつつあります。 パラレルキャリアは本業で多忙を極める人には「そんな時間は取れない」と思われるものかもしれませんが、本業にも良い影響を与えるケースがあります。

  • パラレルだからこそ需要がある

    たとえば、IT企業に務める傍ら趣味のイラストを描き続けていたAさんは、休日にイラストレーターとしての名刺とともにアート関連のイベントに参加して交流を重ねました。クリエイターが求めるサービスの需要をヒアリングし、自社での企画に繋げたと言います。 一方、本業でのITに関する知識を活かし、デバイスごとに求められるイラストの趣旨に理解のあるイラストレーターとしても価値を高めることができました。つまり、双方の業界にそれぞれのニーズを共有することで、自身の価値を高めたのです。

「ライフワーク」になるかもしれない

  • 一生かけてやりたいプロジェクトに着手する

    パラレルキャリアは、会社に締め切りを決められていることもなく、目標も自分自身で設定できます。この特徴は、企業では取り組みづらい長い年月を必要とするプロジェクトに挑戦するチャンスとも言えるでしょう。また、パラレルキャリアと類似する「ライフワーク」という考え方があります。 ライフワークは、一生をかけて取り組むその人の作品やプロジェクトのことを指しますが、長い目で続けることを鑑みたパラレルキャリアは、ライフワークとも重なります。

  • ライフワークは老後の豊かさにつながる

    平均寿命が延び、「老後」という言葉が含む年月が長くなっていることが話題になっています。人生を会社に費やした後、退職した後の余生にやりがいを見出せない問題は、心身の健康にも関わるでしょう。自身のやりたいことをやる、やりたいことを見つけるというプロセスは、何年も続く自らの人生をより豊かなものにするためには必要不可欠ではないでしょうか。

支援してくれるサービス

パラレルキャリアを始めるにあたって、何をするかすぐに思いつかないという方も多いでしょう。そういった場合は、支援しているサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

  • ベンチャー企業とのマッチングサービス「サンカク」

    本業に携わりながら、新しいアイディアを形にしようと奮闘しているベンチャー企業にプロジェクト単位での参加や打ち合わせへの参加などが実現するサービスです。自身の考えやスキルを他社に提供することで、自身のキャリアの新しい扉を開けます。(参考:「サンカク」 )

  • 副業OKの企業を探せる「パラフト」

    人材募集のプラットフォームです。ウェブマガジンとしての掲載記事などもあり、企業の特色を読み物として楽しみながら自身のパラレルキャリアを探すことができます。(参考:「PARAFT【パラフト】」)

自分らしい生き方を見つけよう

パラレルキャリアは、自分らしい生き方を見つけるための指標となる言葉です。本業でしっかりと業績をあげながら、自分のやりたいことに本気で取り組む。これは忙しい方には難しく感じられるかもしれませんが、その努力はきっと本業や人生にも還元されることでしょう。

この記事は、株式会社フリーウェイジャパンが制作しています。当社は、従業員10人まで永久無料の勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」を提供しています。フリーウェイタイムレコーダーはクラウド型の勤怠管理システムです。ご興味があれば、ぜひ使ってみてください。

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